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■甘く落ち着いた香りを楽しんで お香で「正義」再現 久留米市の天年堂が開発


ツバキのお香を開発した天年堂の稲生宗司社長


久留米市野中町で線香やお香の製造販売をしている天年堂(てんねんどう)は、久留米つばき「正義(まさよし)」の香りをイメージしたお香「つばき香」を作った。

 九州は線香の原料、タブの木の原生林が多く、かつては筑後川の水上交通を使い全国へ出荷されていたという。同社は約330年前の江戸時代から久留米に店を構える。現在は、進物用などの一般的な線香のほか、旧黒木町の藤の香りをイメージしたものや八女の竹炭、スギを利用するなど、さまざまな地元素材を使った線香も開発している。

 「手軽に持ち帰ることができるお土産」を目指したというつばき香は、正義の花弁の色をイメージしたピンク色。久留米絣(がすり)をイメージしたあい色の箱に入れた。「企業秘密」の香料で、甘く落ち着いたツバキの花の香りを再現したという。

 現在、天年堂の店舗や地場産くるめ(久留米市東合川5丁目)などで販売中。約50グラム入りで1箱840円。取扱店も募集している。稲生(いのう)宗司社長(50)は「香りを通じて、久留米の活性化につながればいい」と話している。問い合わせは天年堂=0942(35)1050。

=2010/03/12付 西日本新聞朝刊=