「目の前さっくら」 2011.4月号



最初の「さくら」は、久留米に止まる新幹線で、312日に初めて久留米に到着しました。

レコード屋の「さくら」とは、大学時代にコンサートの券をタダにしてもうために、レコード屋さんと交渉し、コンサート会場のレコード販売の「さくら」をしたということです。「さくら」の行為は、本当に効果があることが分かりました。因みにそのコンサートは「佐野元」で「今度は、もっと大きな会場でやる事をみなさんに約束します」と佐野元節で言っていたのが印象的でした。

私の出身校は、福岡教育大学附属久留米小学校といいますが、国立ということと、必ず2クラスという事で、
「桜組」「菊組」といいます。今3年生(4月より)に娘がいますが、今もそういう呼び方です。しかし我々の時は、入学から2年までは、誕生日の早いほうが「桜」遅いほうが「菊」と決まっていたと聞きます。因みに私たちが6年の時に、教育実習生で、「武田鉄矢」が来ていました。その頃の話は「天年堂ブログ“店主日記”NO11」に載せています。

古事記に登場する、大山祇神の娘である「木花之聞耶姫(このはなのさくやひめ)」「さくら」の語源という説があります。「木花」、桜の花を意味していて、聞耶(さくや)“さくら”になったという説です。

 その後、八世紀に編纂された「日本書紀」に「さくら」という文字がはじめて使われています。その巻第十二「履中紀」に、天皇と皇后が船を浮かべて、宴をも催された時に陽暦12月というのに、「さくら」の花弁が酒盃に舞い落ちて、時ならぬ「さくら」を不思議に思われたという、エピソードが載っています。

 その事で、冬咲きの「さくら」が当時からあったことが、窺い知れます。

さてさて、本来の香りのことになりますと、「さくら」は香りが無いというイメージが出来上がっているのは、一般には、香りが薄い染井吉野が観賞用に普及しているからで、実際には、広辞苑で「匂桜」・・(の一品種。花は八重で白く、香気のあるもの)とあるように、他品種には、香りが強い物も多いようです。

本文にある、香りの専門用語を説明すると、「クマリン」は化合物特有の香り・「スィート」は甘さを感じる香り・「フレッシュ」は新鮮さを感じる香り・「グリーン」は若葉から出るような香り・「パウダリィ」は粉白粉の香り・「フルーティ」は果実を思わせる香りとなっています。因みに「クマリン」はあの「桜餅」の匂いに似ています。


「さくら」の花は、食用にしますが、江戸時代の初めの「花食い仙人」という人が好んで食べたのが始まりといわれています。

現在は、「桜湯」「桜漬」「桜酒」などがあり、パンや和菓子にも桜を使います。

葉や花弁をそのまま食べるには問題ありませんが、「クマリン」は有毒で溶血作用を有するジクマロールに変化するため、「桜酒」で、焼酎のようなアルコール水溶液で抽出したものは、高濃度含む恐れがあり、量多く飲用するのは避けたほうがよさそうです。

香水で、ゲラン社の「チェリーブロッサム」という名香は、の香りとは関係ないそうです。同じように、ニナリッチが「レベルドリッチ・チェリーファンタジー」という「さくらの花とさくらんぼ」をモチーフにして、「清楚な少女」をイメージして創作されました。

そのように、東洋の美、「さくら」は世界中からも注目されています。

大地震がありその時の私の店主日記(ブログ)NO80「ガレキに花を咲かせましょう」というタイトルで載せています。

世界中の人々が、「花咲き爺」になり「地震の後のガレキ」に季節や時代も超えた「花」が心にも咲き乱れる事を、願っています。

われわれが出来ることは、何かを追及していき、本来の生活、生きるとはどんなことかを考えて行動に移していきたいと思います。

どうぞこの世に「佛国土・ユートピア・桃源郷」が出来ますように、お祈り申し上げます。

※参考図書「サクラとウメの花の香り」堀内哲嗣郎 フレグランスジャーナル社