ご存知のように、間寛平さんが、アースマラソンから無事大阪まで帰ってきた。それで思い出すのは、親友で応援歌をプレゼントした忌野清志郎。寛平がマラソン中に、癌で亡くなったのを知ったときの映像。泣きじゃくった寛平の姿と、亡くなる前に無理して応援歌を歌っていた清志郎の姿。

 

既に、名声も地位もあった寛平氏が何故過酷なアースマラソンに挑戦しなくてはならないのか。普通名声のある芸能人がこのような事をするときは、TV局が付き、ずーと、いやらしく放送し、お涙頂戴をしていくだろうが、それも無かったし、スタッフは、ランナーとカメラマンと通訳だけだったそうだ。ほとんど自分だけの演出だったという風に報じていた。

 

何故走るんだろうと考えたときに、こんな人を思い出した。

 

須梨槃特(すりはんどく)というお釈迦様のお弟子様だ。

この方は、お経の一行も覚えられないので、破門を願い出たが「自ら愚かさに気付いたのだから、もうお前は愚かではない」と諭され、「塵を払え」という言葉だけ覚えさせ、毎日毎日、欠かさず掃除を続け、一心に「塵を払え、塵を払え・・・」と唱え続け、お釈迦様から「塵には目に見えるものと、見えないものがある」と教えられ、「真に払い除くべきものは、自分の心の中の塵だ」と悟る。

 

癌になっても走り続け、ギャグをし続け、本当だったら、お涙頂戴で「感動を有難う」で綺麗に終わりたいところ、最後の最後までギャグにしたところが、「須梨槃特」を思い出すし、清志郎にも通じると思う。

 

ゴールでの映像で、清志郎さんのレコーデイング風景が映った。

「ラン寛平ラン」という曲だ。ギターワークは、これまでの、忌野氏の中で最高傑作ではなかろうかと思った。(全曲は知りません)

それもそのはず、映像に一寸だけだったので、確かめる術は知らないが、スチィーヴ・クロッパーの姿である。

 

彼は、世界一のギターのスタジオミュージシャンである。

ロックフアンは、オーチィス・レディングの「ドックオブベイ」の作曲者・「グリーンオニオン」という曲で有名な、ブッカー・T&ザMG’sのギタリストといえば分かるかな。

映画フアンは「サタデーナイトライブ」「アニマルハウス」のジョン・ベルーシと「ゴーストストバスターズ」「トワイライトゾーン」のダン・アイクロイドの主演の「ブルースブラザース」のギタリストで出演していると言えば分かるかな。

因みに、大フアンだった、ジョン・ベルーシが亡くなったのを知ったのは、ハワイの民宿のラジオでである。英語も解らない私には「ジョン・ベルーシ イズ デッド」と何回も繰り返し言っていたので気付いた。

 

もう一つ因みに、このスチィーヴ・クロッパー氏にコンサート後、ワイングラスを渡し、ワインを飲んでもらったことがある。

 

そいえば数年前、清志郎とクロッパーは競演している。

「神様・神様です」と彼を紹介しまくっていたし「こんな事本当にあっていいんでしょうか?」と歌の途中で、はしゃぎっぱなしであった。

 

寛平の息子はミュージシャンである。たかだか一人の応援歌ごときに世界一のギタリストに弾かせるなんて、息子も驚きであろう。

 

清志郎の才能も世界に通じることの証明だろう。

 

寛平ちゃんも、世界に知られる、芸人になった。

ギャグもマラソンも一歩一歩の積み重ねでものになる。

やった人しか分からない、悟りが出てくるのでは、まるで、須梨槃持みたいに。

 

寛平さんの奥さんとお母さんに感謝感謝!!

 

PS:司会のさんまさん、彼の立場を考えたら、難しかったでしょう。寛平さんは兄さんだけど、面倒を見ている人。吉本の立場もある。奥さんも吉本出身。最後まで伸ばして伸ばして、「アメマー」で終了。その前に、吉本最高顧問の仁鶴さんに上手く振る。仁鶴さん、さんまと格が違うところを、さらりと出すのがさすがですね。