「川井郁子&国府弘子プレミアムデュオコンサート」石橋文化ホール(久留米市)に二人の娘(小5・小2)と行って来た。

 

川井さんはTV番組・CM等で知っていたが、大阪大学の教授で女優でもあるとは知らなかった。海外でも有名で、奉仕活動も積極的である。旦那さんは骨免疫学研究の第一人者で、ノーベル賞候補とも言われる、大学の教授。

 国府さんの事は知らなかったが、TVラジオのDJを初め、教育テレビの講師や、エッセイなどでも活躍している、ピアニストで、クラシックからジャズまで守備範囲が広い。

 

子供らに、川井さんの使用楽器、アントニオ・ストラディヴァリウス(1725年製)の音色を生で聞かせたかったのと、クラシックでしっかりした音を勉強されていて、ジャズやブラジル音楽・ラテンなどの、リズム感のある音楽が、特に長女にはいい刺激になるだろうと思いで連れてきた。

 

コンサートなので、メロディアスな曲と、情熱的な曲。または、リズムカルな曲をバランスよく盛り込んでいたが、川井さんは、あのメンデルスゾーンの情熱的な曲が素晴らしいというか、凄かった。

 国府さんはやっぱりジャズ。ガーシュインのラプソディーインブルーにサマータイムを入れ込むという趣向。

 ただ、滝廉太郎の荒城の月や、赤とんぼ等の日本の童謡やひまわり慕情などの、映画音楽も心に沁みた。

 川井さんは、ヴァイオリニスト。ヴァイオリン一つで何処でも演奏できる。

 方や、国府さんは、ピアニスト。置いてあるピアノを使うしかない。頼りは調律師。自分が仕上げたい音にしてくれるのが、頼りにしている、調律師の腕。

 川井さんが使用している楽器は、アントニオ・ストラディヴァリウスの1725年製。

言わずと知れた、名器中の名器。それも1715年前後は一番評判がいいものである。

4億円で購入した人もいるくらいである。

この音色を生で聞けるとは、本当に幸せなことである。

 

どーしてこのような音が出るのか、これがまだ謎という。その答えは、ニスにあるとずーと言われていた。しかしドイツとフランスの専門家の数年による研究では、ニスは他のニスと変わりがないことが証明された。このニスは、音に何の影響がないとの事。

たしか、昔読んだ香りの本にこんなことが書いてあったと思う。「ストラディヴァリウスの音色は、使用した木に付着している微生物の所為ではないだろうか」これは我らの商売の伽羅という香木が何故あんな香りになるかを追及しても、答えが見つからず、香りと違うが、音色も同じ要素があるのではないかと考えた人の答えだった。

伽羅はどうしても同じ香りができなく、栽培も可能ではないという伝説があるからである。その香りは、微生物が関わってできたものだという、仮説の元に、ストラディヴァリウスに引っ掛けて、謎賭けの答えを、見つけようとされたのだろう。

 因みに伽羅は、ベトナムのある地域しか取れなく、偶然が重なり合って奇跡的に出来たものとされている。そして伽羅のことを「森羅万象、全てを凝縮したもの」と考えられて大事にされている。

 

世の中には、まだまだ解明できないものが、余計にあるのではなかろうか。人間が神に挑戦し、どんなに解明して行っても、もっともっととハードルを高くしていくのが神であり、神のパズルを解く(アインシュタイン)ことが、人間の使命であるのかもしれない。

 人間が作った科学で証明しようと思っても、証明できないものがある。

このニスもそうであろう。科学では同じニスと言っても、そこに考えられない違いがあるから、「ストラディヴァリウス」なのだ。

 ニスだけではなく、微生物や木そのもの、微妙な角度など少しずつ、他の人間や、科学的な検査では分からないものがあるのではないか。もしかしたら、作者の気、エネルギー、魂。もっというと弾く人、聞く人の思い込み。これが、4億円の価値を作り出しているのか・・????

 耳が聞こえなくなって、遅咲きのピアニスト・フジコヘミングは、彼女しか出せないものがあるそうだ。その感情ともいえる、不思議な力がそこにはある。科学で証明できれば、その音を機械で出してもらいたい。

 伽羅の香りも、機械では、察知できない、表現できない。これが自然の驚異である。

母の愛が子供に伝わる。同じ事を言ったり、行ったりしても、母親には叶わない何かがある。機械で作ったおにぎりと、母が作ったおにぎりとは微妙に違い絶対母が作ったものがうまいに決まっている。

 国府さんが信頼している、調律師。自分の希望通りの調律をしてくれるという話を聞いて思った。絶対音といわれる音は人によって違う。自分が好きな「ド」があるのだな。

 そういえば、温度計で測った温度と、体感温度は違うという。アインシュタイン博士の相対性理論でも、恋人といる時間は早く感じるとうことで考えると、人間には絶対が絶対無いと感じる。

 

川井さんの話の戻ると、この間聞いた演奏は、二度と同じものは聴くことは出来ない。

前日までドイツに居られた、川井さんの調子は、良かったのか悪かったのか。この時期の久留米の天気でのヴァイオリン調子は、ドイツ帰りで、飛行機の中を通ってきてどうだったのか。

  

娘の耳にはどう聞こえたのか。アー気になることが多くて、今夜は眠れないかも。

 

一番下の一歳と十ヶ月の子供のウルサイ泣き声は、父としては、子守唄のように心地いい。

こんな気分でまた眠りにつけます。

 

自然がくれた、心地よさに感謝感謝!!