「コーナンだったらコーナッた」(ホームセンターコーナンのTVコマーシャルのフレーズ)というコマーシャルを思い出したのは私だけだろうか。

 

今年の高校野球の優勝高校、沖縄の興南高校のフィーバー。

この頃、サッカーやゴルフやフィギュアスケートの人気で、プロ野球の人気が薄れたような気がする。

昔はTV独占で、必ず延長したものだった。今は巨人戦もTVでやらない。

人気解説者は、ノムさんや親分や張さんなど往年の大スターばかりで、変化が無く活気を感じない。

 

そんな中、嘘の無いドラマ、高校野球は盛り上がったのではないかと思う。

しかし、こんな暑い中、ほんとうにご苦労さんである。よく体力が持つなと感心する。

正に熱中症の中の熱中ショウである。

 昔、私が中学の頃だろう。福岡の柳川商業と栃木の作新学院の試合があった。

無名の柳商と怪物江川の作新である。最初から勝ち目がない。しかし柳商は考えた。

その名は「プッシュ打法」。怪物江川、とうとう予選以来の失点。延長15回。柳川のエラーで作新の勝利。もし一回戦で江川が負けたのならば、江川の評価はどうなっていたのだろうか。この試合、視聴が集中して電力が不足したということもニュースになった。

そして、23奪三振という大会史上2位の記録が残った。因みに1位は坂東英二の25奪三振である。 

私は、柳川の応援の途中、落ち着かず、見ることができなくなり、街中をうろうろして、電気屋さんで、1対1になっていた事を知った。急いで帰って負けたことを知る。

 その時、自分の応援が足らず、負けたのだと真剣に思うようになった。

 この頃は見たい番組があっても、見なくてもすむ、心の余裕があったのだろう。

 

その後TVは、ビデオになり、DVDになり、私の知らない、次世代に突入している。

本当に見たいTVも、見なくて、想像の世界を自分で切った張ったできた時代がある。ビデオに入れたくても、そのビデオの購入が出来なければ、諦めることも出来た。

携帯電話もそうだろう。メールは捨てることは出来ない。従って、全部処理しないといけない。

昔は、切り捨てる、諦める、執着しない文化と、自分で考え、想像し、創造する事が出来たようだ。

 

高校野球に話を戻すと、この試合で怪物江川に先制点を取ったことから、柳川商業が有名になり、甲子園にもよく出場するようになった。

後にプロ野球に入団し活躍した立花や久保がいた時に福岡大会で私の母校西南学院と試合をした時のことの事である。

我西南は、部員が8人しかいなく、一人借り出して、やっと試合が出来た、福岡市にある学校で、久留米での試合である。

あるクラスは一人を残して全員久留米の球場に行った。我々も少し遅れ球場へ。勝手に私設応援団ができ、応援したがどう見ても、巨人と子供である。後で聞いた話だが、外野が玉を追っていなかった。「何で追わんやったか??」「柳商の応援ば見よった」という答である。とうとう柳商の応援団が西南の応援までやってくれたようだったと思う。

しかし新聞に「西南、私設応援団の応援風景」ということで写真入で伝えてくれたのは意外だった。たぶん新聞記者は西南出身だったのだろう??

柳川の{プッシュ打法}は卓球の打法である。柳川商業は、テニスは14連続全国制覇の記録を持つ。プロの福井・松岡もOBだ。卓球も全国大会上位だという。たぶんそのことで思いついたのではないかと密かに思う。

 

興南の話に戻る。沖縄が米国統治の時代、甲子園の土を持って帰ったが、遂に沖縄に届くことができなかった。この話は、戦争のことにまで進むが、悲しい話である。

日本もアメリカも、高校野球連盟も、もっと粋な計らいは無かったものか。江戸時代の日本は、「粋な計らい」があったように思うが。

いずれにしても、沖縄の春夏連覇は本当に清清しい出来事である。

いやそうではない、清清しい話は、もっと違うところにある。

それは4ヶ月前の、センバツ決勝当日。興南の監督は、散歩の途中、つぼみだった桜が満開になったことに気付いた。選手の成長を重ね合わせ、連覇という新たな目標ができた時、あの桜を思い出す。「桜はいずれ散り、また咲く。支えるのは枝であり幹。また根っこから鍛えよう」と誓った。

朝の散歩はゴミ拾いが日課だという。「小さなことに気付かない人間は大きな仕事は出来ない。」と話す。「春の優勝の後、一人一人が自覚して一からやり直した。」こうした監督の思いと選手の思いが、快挙を生み出した。

選手全員、小さい頃から本当に、夢を実現するために、コツコツと努力を重ねたのだろう。それはチームのため、沖縄のためという気持ちと感謝の気持ちが大きな気持ちと、エネルギーになったのであろう。

その気持ちがあるから、我々は、沖縄を応援した。プロにはない気持ちであろう。江川にこの爪の垢を煎じて・・・・と思うこの頃だ。

プロもこの気持ちを忘れないならまた人気が戻ってはきませんか、小沢さん!!!

 

この熱中ショウに感謝感謝!!!