香りの歳時記(諸江辰男著・東洋経済新報社出版)という本の中に

モーツァルト:華麗で無駄のない楽しい曲:馥郁たる薔薇の香り

バッハ:規則正しい、ゴシック建築の重厚さ:アンバー

ヘンデル:バッハより少し華やかで荘厳さ:沈香

ベートーベン:大物で大上段から音が向かっきて、堂々としている:ジャコウ



というように、音楽と香りを結びつけてありました。



これは音楽も、香料もかなり確実に評価できる自信がなければ、出来ない表現でしょう。



お香では、酸っぱい・甘い・苦い・辛い・塩辛いと分類する場合もあります。

しかし、香りの表現は昔から大変苦労したのではなかろうかと思います。



 フランスの有名な作家の「失われた時を求めて」で主人公がマドレーヌを紅茶に浸して口に入れたとき、それまで忘れていた幼い日々の事がありありと蘇ったというところがあります。



香りは、表現が難しく大変なのですが、それだけに一番記憶に残るものかもしれません。



「ノート」という言葉は本来音楽用語なのですが、香料では、シトラスノート・スパイシーノートという風に香調を表す言葉です。



この香調と音階を結びつけた試みもあります。

例 ド:白檀 レ:クレチマス ミ:菖蒲



また調香師は香りを自分の体験した身の回りのものと結び付けて覚えるそうです。

それは、ワインのソムリエもそうだということを聞きました。



ちなみにそのソムリエは、福岡滞在の薬師丸ひろ子の伯父さんです。ひろ子さんのお姉さんは、調香師でフランスとニューヨークで勉強されています。



話がずれましたが、私もワインを片手に、音楽を聴きながら、加藤和彦のサンサバドールはどんな香りか、ビートルズのトゥモローネバーノーズはどんな味か、香りを感じながら聴きたいものです。ワインが日本酒になりべろべろになったら、香りや音楽どころではありませんので、くれぐれも注意しましょう。



音楽・酒・香りに感謝感謝。